正直者は2倍得する。そうでもない。いや、やっぱり得する。

本を探していた。
講談社BOX 泉和良「エレGY」
吉田アミ「サマースプリング」
前者は10年来のファンで、後者ははてなダイアリーをやっているということでなにとなく興味がわいた。
先週買った泉和良「spica」では、彼がいつも見せる類い稀な言葉廻しのセンスはびしびし感じたものの、シナリオ自体は凡庸なものだった。まあ「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」に比べればなんでもないけど。で、twitterでそのことを書いたら、俺が未読である「エレGY」を大絶賛してかつ「spica」を未読であるid:meitei-rondoが激しくわっふるを焼いていたので、とりあえず水を差すのも悪いと思って黙っていたら数日後「spicaは糞! 激しく糞!」と言っていた。ごめんねごめんね。
仕事帰りにアキバの店を方々を巡ったもののなかったので最終手段としてヨドバシ7階の有隣堂に行ったが余裕でなかった。「spica」は平積みだった。さらにPOPまであった。しかし本のケースに書いてあるコピーのほうがずっとイケてた。ちなみに、有隣堂のPOPは「恋愛が苦しいのは終わった時ではない、続きだ」みたいなので、ケースには「何年か前、僕らは出会った。どこで。地球で。」って書いてある。あと字が汚かった。つまり意味がなかった。
あきらめて後者を捜したがもちろんなく、しょうがないので飯でも食おうと8階のわらび屋に行った。
ヨドバシ8階のわらびやには十四代がある。詳しくはぐぐれ。1合900円する。以前飲食した際に「ドリンク1杯無料券」を貰い、そこには「日本酒」もOKだと書いていたので提示してみたら「すいません、地酒はだめなんすよ」といわれた。まあそうだろうな、まあいいや、十四代ください「常温と燗どちらにされますか?」常温で「かしこまりました」待っている途中に、俺が呑みたいのは常温ではなく冷やなのだということに気づいてがっかりしたがまあいいや。次に冷やを頼めばよい。
食い終わってから伝票を持ってレジにいくと「1000円です」とのこと。えー。とろろそば大盛りで1000円なので、酒代が入っていない。伝票をよく見ると、「日本酒(小)¥0」と書いてある。注文とった奴、日本酒は無理で地酒ならいけます、とかいったくせにドリンク無料券を使ったことにしてやがる。バカじゃねーの!
と思いつつ、「あのー十四代頼んだんですけど、その分払わなくていいんですか?」と申請したところ、レジの店員は一瞬悩んで「今回は結構です、次回宜しくお願いいたします」と言われた。
俺はうれしくなって「まじっすか! ありがとうございます! またきますー」と言って店を出てtwitterにらっきーと書き込んで、ただ酒で得した上に正直者であることが得だ、そうだ正直者は2倍得するよね! と思ってこのエントリを書こうと携帯にメモしたのだけど、今記憶を元にエントリを書いていると、俺が呑んでいたのが十四代ではなくてただの「日本酒」であった可能性が突如として芽をだしてしまった。思えば一口目をつけたとき「あれ、十四代ってこんな味だっけ? もっとフルーティーで・・・」と違和感を感じたものの、十四代を冷や以外で呑むのが初めてだったため(そもそもいつも日本酒は冷やしか飲まないので)「ふーんこんなものか・・・」と思い込んでしまったのが頭が悪かった。酔いの回りも非常に悪かった。ていうか酔ってない。十四代なら、半分もいかないで「やべーきもちいええおうほー」ってなるんだよね。
計らずも、俺が呑んだその瞬間に明らかに違うだろこれ! って確信を持って言えるほど酒の味が分かる人間ではないのとともに、なんか違うなーと違和感をもちつつ後から気づく程度には酒の味が分かる人間だということが分かったのはいいことだった。
とりあえず次は初っぱなから「日本酒」と「十四代」の常温を頼んで飲み比べてみようと思う。幸いなことに、ドリンク無料券は行使していないのだ。つまり、今回俺が物理的に得したか損したかということについては慎重論では消費しなかったドリンク無料券分の得+やはり自分は正直者だったというプライスレスな得ということで、めでたしめでたし。
あ、あと、一緒にわらびや行く人募集。