メイド喫茶がいらないと思ってる奴はe-maidに行ってみれ
アタリショックに陥っているメイド喫茶業界
http://d.hatena.ne.jp/yoghurt/20080807#p1
そこで、化粧の濃いメイドにご主人様と呼ばれたとき、僕の心にやってきたのは、限りなく悲しみに近い感情でした……。実際には奴隷に過ぎない人間たちが、端金でメイドを雇い、貴族ごっこに興じる……。これほどみじめな光景があるでしょうか? やりきれない思いから逃れるため、僕はウォトカを飲み続けました。流れ落ちた涙がグラスをつたい、ウォトカはたちまちソルティドックとなってゆく。これほど悲しい酒を呑んだことは、ありませんでした。
本当にその通りだと思う。俺も、はじめてメイド喫茶に入った時にはその店は「とてもはずれ」な店であり、同じような悲しみにくれたことがある。これは不幸である。id:yoghurtさんが、このままメイド飲食店産業の間違った側面だけを見てメイド喫茶いらない派に所属してしまうのは本当にもったいない。なので、id:yoghurtさんのそのフォースをダークサイドから引き戻すようなお話をしたい。
いいみせあるよ!
声を大にして言う。
私はメイド喫茶が大好きだ。
ただし、それは大阪日本橋にあるe-maidに限ってのことだが。
http://e-maid.net/html/
それなりにきちんとした英国式ポットティー
e-maidでは比較的きちんとした英国式ポットティーを、アールグレイ600円〜という安価で出してくれる。
ポット、ポットカバー、茶こし、ミルク(もちろんフレッシュではなく牛乳)、最後のほうの濃くなったお茶を薄めるためのお湯ポットまで出てくる(もっとも私は濃いめのミルクティーが好きなので使わないのだけど)。ポットティーではだいたいカップ3杯程度のお茶を飲める。30分は軽く持つので、すぐ横にあるわんだーらんどで新刊を買ったり、人を待ったりするときによく利用する。
上質な接客
これだけでも足繁く通う価値があるが、e-maidの真骨頂はそこではない。接客レベルである。
接客業で仕事のできる人なら分かると思うが、接客業のもっとも大事なことは心配りである。できる人はできるが、なかなかそうもいかない従業員もいる。e-maidはメイド喫茶である。従業員は全員メイド服を着込んで、「メイド」として仕事をしている。メイドというのは奉仕するのが仕事であり、従業員は(にわかではあるが)一応メイドとしての接客教育をされた上で業務に就いている。同じ人材であっても、どちらが「客に奉仕する」という意識を持って仕事ができるか簡単に想像できると思う。事実、普通の外食よりもよっぽど従業員の態度はいい。
気配りを意識するためのシステム
客が店員を呼ぶときに小さなベルを鳴らすのだが、正直「こんなのならしても気付いてもらえないよ」というくらいの音しか鳴らない。なので、初心者はつい大きな音を出そうと力一杯ベルを鳴らしたりする。実はこれは大間違いであった。
店員は常に、ベルの音について細心の注意を払いながら仕事をしている。そしてほんの少しでもベルの音がなれば周囲を見回し、ベルを鳴らすモーションをとっている客を見つけて伺うのである。客は普通にベルをちりんと鳴らして、その音に気付いてきょろきょろしはじめた店員と目線を合わせればよい。この習慣のため、e-maidの店員はより「気配り」をするための心づもりが常にあり、それが接客の質に結びついているように思う。
必要以上に萌えに走らない
いわゆるメイド喫茶だと勘違いしたコスプレ女がやたら多くて間違った店になる(もちろんe-maidにも少数勘違いメイドはいるが)ことが多いのだが、e-maidはその傾向があまりなく、純粋に接客を評価できる店になっている。
「メイド喫茶」というと、一般人は興味がある反面「オタクっぽくてきもいんでしょー」とか、「絶対行かない」とかそういう反応が多いのだが、ことe-maidに連れて行った人間はみな考えを改める。「ああ、これなら全然普通にOK」「普通の喫茶店としてもレベル高いね」という評価ばかりである。
もちろん、e-maidにも、メイドさんとの2ショットサービスとか、ノベルティ、イベントとか色々な萌え要素は用意されている。しかし、そこに傾倒することなく、一般人にも受け入れられる程度にとどめ、本来の業務の質を保つ努力をしているのがもっとも重要な点である。