8年間いじめ続けられた挙句自力解決した俺の体験を話すよ

http://blogs.itmedia.co.jp/kenjiro/2008/06/dis-4e1b.html
この件に関わらず、いずれまじめに論述しようと思っていた。


子供の喧嘩に親が(ry


とはまさにこのことだよね。と書きつつも「いや喧嘩っつーか一方的ないじめじゃん」と反論する自分もいたりするんだけど、敢えてここでは「いじめも子供の喧嘩のうち」という枠で考えたいと思う。
俺は小学1年から中学2年まで一貫していじめられてた。(実際にはそれ以外にもいろいろいじめの単位はあったのだけど、やっぱり学校でのいじめが一番大きい罠)いじめの内容は物隠す、単純暴力、周りは見て見ぬふり、といったもので、幸いなことに汚い系とか致命的なものはなかったので、ある意味運が良かったのかもしれない。
いじめられていた原因としてはやっぱり「うざい」につきるんじゃないかと思う。今では完全に退化してしまったが、当時の俺は年齢不相応なほど頭の回転がよく知識も豊富だった(学研の図鑑シリーズなんかを小学校入学当時から読みあさっていたのだけど、理科なんかは高校にまで予習が効いていた)。
当然精神年齢は小学生のままなので(過去ログを読めば分かるように今でもあんまり成長してないかもしらん)、知識をひけらかしたり、他人を見下したり、相当嫌な人間だっただろう。もちろん俺をいじめる人間と、ニュートラルに付き合ってくれる人間と2通りがあったわけだけど、今思うと普通にクラスメイトとして接してくれた人間の器が計り知れない。

  • いじめられっ子には必ず原因がある(もちろん周囲にもあるが)

俺は生粋のいじめられっ子なので、他のいじめられっ子もたくさん見てきたし、ちょっとだけどいじめ側に回ったこともあるし、とにかく全身どっぷりといじめに漬かった義務教育を送った(後述するが、その上自力でいじめを解決した)人間なので、いじめのツボはよく心得ているつもりである。その中で確信があるのは、大なり小なりいじめられっ子側にも必ず原因があるということ。箇条書きすれば色々細分化できるだろうけど、漢字一文字で言えば「むかつく」もしくは「きもい」んである。とにかくこれはいじめに関わろうとする人間は重々意識するべき。

  • 子供のいじめの直接の原因は「むかつく」「きもい」、大人のいじめの原因は「軽蔑」

いじめられる子供の具体例を挙げてみる。

    • 声が小さい(いらいらする)
    • 暗い(周囲のテンションを下げる)
    • 知識をひけらかす(馬鹿にされている気がする)
    • やたら顔が汚いとか、鼻水食ってるとか(きもい)

これは、大人の手助けがない場合まずいじめられる。今大事な言葉が出た。「大人の手助けがない場合」ということである。この「大人」とは「教師」「保護者」両方をいう。
こういうポイントは、子供のうちは、主観的な感情である「むかつく」を喚起してそれがいじめに結びつく。学年があがってきて、小学校高学年、中学校くらいになると、客観的視点というものが徐々に備わり始めるため、「こいつあきらかにおかしい、馬鹿じゃねーの」という軽蔑に変わっていく。客観視とは「他人から見たらこう見える」であり、他人がいじめられっ子をどう見ているかを意識するようになる。その客観視が共有され、軽蔑につながる。ここにくると人間関係そのものがいじめ体制になるので非常に複雑になる。ちなみに俺はこのタイミングでいじめを解決した。

  • いじめの第二の原因はいじめっ子ではなく大人

10人とか20人とか子供を寄せ集めると、いじめられる要素を持った子供が何人かいるのはどうしようもない。子供たちを取り巻く大人は、子供たちをフォローしてあげる義務がある。ただし、やっていいこととやっていけないことがいろいろあって結構難しい。

    • 親にできること:自分の子供からいじめられ要素を排除する努力

あちこちで挙げられているいじめ関連の論述で主に述べられている「いじめ解決メソッド」の多くは逆効果であることが多い。こじれた紐の結び目は無理に引き抜こうとしたり切ったりしてはいけない。こじれた通りに1つづつ結び目をほどいていかなければならない。子供は素直である。「なんでいじめてるの?」「むかつくから」「むかつかなければいいの?」「うん」いじめられ要素を解決したいじめられっ子が、それまでいじめっ子であった人間と打ち解けて一緒に遊ぶようになった例をたくさん見ている。みんな子供時代に見ているはずである。大人の立場から上のやりとりをするのは極めて難しい。
いじめられ要素の多くは、親の躾で回避することができる。例えば、箸のまともに使えず、周囲に迷惑をかけるほど散らかしたり、口の周りをべたべたにしながら給食を食べるような子供はいじめられポイント高めである。そしてこれは親の躾で十分に回避できる。いじめ問題が拡大した背景には、親の躾の質が下がったのが一因かもしれない。チックやアトピーなど解決の難しい問題も色々存在するが、それは教師の仕事である。ちなみに、アトピーのような容姿の問題よりも、チックに代表される奇行のほうがはるかにいじめられ度は高い。

    • 教師にできること:生徒全体が、いじめられ要素を持った生徒を理解してあげることができるような努力

アトピー、チックのように、親が努力をしてもまだ解決が難しい問題が存在する。教師の仕事は、このような異端分子を生徒全体がうけいれてあげられるようなお膳立てを整えることである。
切り札は「病気」である。大小に関わらず、病気にかかったことのない子供などいないと思う。子供は病気について実体験としてよく知っている。「この子は顔がぶつぶつで赤いけどこれは病気なのね。おまえら風邪ひいてしんどいのにおちょくられたら腹立つでしょ。それと同じだから、この子が顔ぶつぶつなのはしょうがないからいじめないように。いじめたらしばく」はストレートでもっとも効果がある。行動の場合は難しそうだな・・・なんつーか、大らかな環境を構築するのが重要だと思う。俺の場合はチックつーか(今でも)肩こりなのかな? 肩がとにかく気持ち悪かったのだけど、教師が率先して俺の行動を規制しにかかっていたので最低だった。教師は、生徒に大して筋の通らないとがめ立ては絶対にしてはいけない。教師の一言は生徒にとっては神の一言にも等しい。子供がつけいる隙を持った言葉を教師は絶対に発してはいけない。

  • いじめっ子を強制力で規制するのは無理がある

子供はいじめをする動物である。大人もそうだけど。子供はよりいっそう理性が乏しくて、器が狭い。未知のものへの反応も敏感である。知らない体験にどう対処してよいかは、大人が教えてあげるしかない。いじめっ子といじめられっ子の関係はそれぞれの内在的な問題であるため、表面的に押さえつけても全く解決しないどころか、誤解が誤解のまま、発散の機会を与えられず、事態は悪化する。

  • 親は過度に口出ししてはいけない

ここでやっと吉田さんに言及する部分にきた。
いじめられっ子の親が、いじめっ子に(高圧的であれ、下手に出た姿勢であれ)直接的に関与したらどうなるだろうか?
「あいつ親でてきたぜ、だっせー」
それでもいい、と言うのは親のエゴですらある。ぶっちゃけ若造であり子供もいない俺がそんなことを言う資格あんの? と俺自身も恐縮だけど、子供側の感覚ではそうなる。そういう、口出しな親の庇護にあるいじめられっ子は誰にも相手にされなくなる。「あいつに関わると親がでてくるぜ」親は子供にとって教師の次に絶対的な存在である。いじめっ子も一応、自分が悪いことをしている意識は十分にあるので、相手の親が自分の親に何か言ってくると恐ろしいことになる、というくらいの頭は十分に働く。もちろん、表面上のダイナミックないじめはなくなるかもしれない。そのかわり、いじめられっ子は、人格形成が行われる、人生のうちでものすごく重要な時期を他人とのコミュニケーションを皆無のうちで過ごすことになる。能力の獲得というのは挫折と努力、涙無しには語れない。全自動なんてありえない。怪我もする。無菌室で育てることはできない。RPGで若者が旅立つのを遮って代わりにモンスターを退治してくれる大人がいたら彼らはラスボスを倒せるか? まあ、自分の子供がニートになっても構わないなら何も言うことはないけど。それが本人にとって本当に良いことだと思うなら。



あ、なんかタイトルと本文がくいちがってきたので、修正してみる。中2になった俺は勉強だけはめちゃくちゃできた。性格は悪かったが勉強はできた。いじめっ子じゃない連中と仲良くした。女子とも仲良くした。自分を軽蔑しない人間とは対等な立場で誠実に会話することができた。いじめっ子にもそういう態度で接するようにした。堂々と振る舞うようになった。胸を張って相手の目を見て行動するようになった。いじめはなくなった。


追記
http://d.hatena.ne.jp/oredoco/20080619/1213869760
もちろん程度の問題はあると思う。それについては余り書いてないけど、とりあえず最初に俺があったいじめの程度は書いたから、その範疇だと思ってくれればいいかも。つーか、程度に関係なく、教師がしっかり目を光らせる必要というのは変わらないから、基本的には同じスタンスで望むべきだと思うよ。しょうもないイタズラも、包丁持ち出してのカツアゲも、やってるいじめっ子にとっては同じようなもんなんだよね。まあ、いじめっ子への家庭内でのしつけってのもあろうとは思う。(それ書き忘れたね)
ちなみに、俺のうけたいじめっていうのは吉田さんの娘さんがうけてるいじめと多分レベル的には大差ないと思う。まあ男女差があるから難しいかもしらんけど。女のいじめって、外から見ててぜんぜんわからないんだよね。一度ホームルームで女子のいじめが問題になってみんな何時間も残されたことがあるんだけど、みんなぜんぜんわからんかったもんね。まあ、一番穏便になるとすれば、父兄が教師に相談→教師が真摯に対応、ってところなのかなあ。父兄が直接介入するのは多分ほんとによくない。ブラックジャックの手術に横槍するようなもん。