UFJ銀行のシステムにバグがないわけがない

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51049890.html
これ全面的に同意。
バグのないプログラムなんてないという大前提はもちろんのこと。
あんまり言うと特定されるけど、以前俺も今某業界首位の某企業の1システムをやっていて、全社のサーバ総入れ替えというメンテがあった。
満を持して一斉切り替えが行われ、そして俺の担当している部分が全く動かなかった。メンテは延長され、先方は大わらわになった。俺は死のうかと思った。
よく思い出してみると、事前の設置作業でもどうも参照がうまくいかず、とりあえず設定ファイルで変更可能な別サーバへの接続先の参照先の問題だけだし置いといていいとのことだったので放置してたんだった。しょうがないので必死でいろいろ試すけどうんともすんともいわず、VPN経由でpingしたりnslookupしても何も起こらなくて俺が真っ白に燃え尽きそうになっていると、先方の窓口SEから電話があった。
「どうも新基幹サーバからこっちへの接続設定が許可されてなかったようで、今日の夜中に設定変更とこちらの設定を変更する予定です。長い時間拘束して申し訳ありませんでした」
俺は死んだ。


まあ組織の硬直しきった大企業ほど本当にそういうことが平気であるというのが一つと、もう一つ、日本の大企業はシステム統合のリスクを全くマネジメントしていないということがあるみたい。アメリカだとちゃんとそういうのを織り込むので無理がない。とにかく日本では無能なマネジメントを現場がカバーしているというのがどこの業界でもあるみたい。
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/fb24dd1927f54ba618126eb7dd02e5d9

金融庁の方もたくさんごらんになっているからあえて言うけど、日本の金融機関に勤める中間管理職は極めて優秀であります(わかってるくせに・・・爆)。ろくな設備投資予算も無い中で強引な合併が引き起こした(これ、マネージメントイッシュー)決済機能などの統合に徹夜で取り組むIT関連社員。(アメリカではそもそもシステムの統合にどれくらいかかるかは合併時の重大イッシューで100%外注です)

金融市場に直接携わっている社員も、経費節減とかで少なくさせられた情報端末を補う為に(クイックしか見られなくてどーするつもりなの!!)自腹を切って日経金融とかヴェリタスとったり(だから内容がひどいと頭にくるんです!!)、ろくなシステム投資の無い中で自分でVARのカルキュレーションモデルを自分のパソコンにいち早く入れたり・・・

アメリカでは考えられない現場の叡智でここまでしのいできたのに、そいつらがばかだ・・・というのは有り得んんでしょ? 性能の劣るゼロ戦パイロットの腕だけではるかに性能のいいグラマンを落とせって、おなじ話でしょ、これは。

要するに本当の問題はマネージメントにあり。アメリカの金融機関と比べて一番見劣りするのがこのマネージメントだということは何度も書きましたね。

だいたいVARの計算も理解できない奴が資金証券担当役員なんてやばくないですか? 

金利が1%動くと銀行全体のポートがどのくらい動くか、コンベクシティーも含めて理解されているマネージメントはどれだけいるんでしょうかね。

これもうIT業界もまったく同じ。これが日本人なんだなあつくづく。ITは業界そのものの特性として(他の業界よりは)変革的ではあるので、アメリカ式のいいところに触発されてる人が徐々に変えていくとは思うけどねえー


http://d.hatena.ne.jp/goodbye_bluemonday/20080514/p1

某社の某システムが結局動かなかった(というような例もいくらでもあり、そこまで行って初めて失敗)

なるほどね。俺自身はその世界に入りかけて壮絶な危機感を覚えてからくも脱出し、いまでは一人で上から下までブン回すオープン屋さんなのだけど、ATMやら為替やらさわってる人も社内にいるのでそういう話も聞く。
どっかの訴訟とかどっかの倒産の話とかも聞いたけど、そりゃ動くわけないよね。現場の人間全員が動かないのわかりきってて、マネジメント層が頭抱えて「なんでやねんーーーーー!」とかファビョってる状況。そして建設的な提案は全て切り捨てられる。死んでも相手したくない。最近だと会社のパッケージとして「劇的に工数が下がるすばらしいコンポーネント」を開発したので(けっこうすごい)社長が提案に行ったら「工数減ったら予算減るだろお前頭おかしいの?」って全く相手にされなかったそうで、まあそういう業界なので触らぬ神に祟りなしとしか言いようがない