伊坂幸太郎「死神の精度」は最低 10点

会社のおねえちゃんに勧められて読んでいたがあまりのひどさに半ばでリタイアした。せっかくなのだから最後まで読むのが礼儀だとも思ったし、最後まで読まずに評価するのもどうかと思うのだけど、(繰り返すが)あまりのひどさに、これを読了することは人生の無駄遣いだと思った次第。それならその分の時間を、いかにひどいかここに書いてこれを読んだ人がつまらん人生の無駄遣いをしないようにしたほうが社会貢献になる気がする。

「じゃあ、チケットは渡せない」
「ということはチケット、手にはいったんですね」荻原がうれしそうに語調を強くした。
「何のチケットだ?」私は関心はなかったが、質問する。
「芝居のチケットなんです」

こういうレベルの文章が延々続くんだよ。耐えられん。先生あのね、今日は朝起きてごはんを食べたよ。目玉焼きがおいしかったよ。それから服をきがえて学校にいったよ。そういうレベルだ。この作者は代名詞という品詞を識らない。上のような会話が起こりうる現実であれば俺は自殺する。
とにかく会話が非現実的で全てにおいて説明過剰で芝居がかっていて気持ち悪い。台詞まわしにいたっては(伝統芸能の)狂言的ですらある。登場人物にみじんも自然さが感じられない。しかも全員が気障である。登場人物が会話しているように見えない。ナルシズムの極に居る作者が安楽椅子に深く腰掛けて、自分の声と口調に浸りながらそれを朗読しているようにすら思える。
オチがない。伏線もない。「伏線のように見えるいきあたりばったりのこじつけ設定」しかない。なめてんのか。とにかく、[これはひどい]とタグをつける他にない。
amazonの書評をみたところ星4.5と信じられない高評価を得ていて、まあこの本のターゲットがどういう層なのか容易に想像がつくのだけど(俺に本を貸してくれたおねえちゃんも「流行ってるから買ってみた」と言ってたし)。いくつかの低い評価はとてもわかりやすく作品を批評しているので、買う前にチェックすることをおすすめします。俺の批評は感情的になるのであんまりうまくない。
すっぱりあきらめたので、これからブギーポップを読みます。高校時代 WoRKs DoLL にわくわくした俺としては緒方剛志わっしょい。あのアンニュイさはたまらんじゃよー