オレこぐまレンサレンサ - こぐまレンサ完全版を読んだ

http://d.hatena.ne.jp/amiyoshida/20090106/1231253910
私は相対性理論というバンドが好きである。
その相対性理論の最新アルバム「ハイファイ理論」が1/7に発売であることは忘却の彼方であったが、昨日はてなのトップページで見た
相対性理論「ハイファイ新書」が驚異的バカ売れ
という記事により思い出し、家に帰ってなんとなく相対性理論のウェブサイトを開いたところ1/11にライブがあるとあり、「DJ:吉田アミ」と書かれていた。
http://mirairecords.com/stsr/schedule.html
私は彼女について、はてなで「日日ノ日キ」というブログをやっている文筆業のおねえちゃん、くらいにしか知らない。著作があるらしいので本屋で見かけたら買ってみようと思っているが、タイトルは覚えていない。何か物色しようと本屋に立ち寄る度にパブロフの犬よろしくそれを思い出すので携帯のメモを頼りに探すのだが、未だかつてその本に出会ったことはなく、私はその本に何が書いてあるのかはもとより、ジャンルすらはっきりと知らない。つまるところ、私は彼女について何も知らない。
好きなバンドのライブのDJを、名前だけ知っている人がやるということを知ったので、彼女に対して同じはてなーであるという親近感に加えもう少し興味がわき、適当に検索してみたところ彼女のブログの最新記事は
[お知らせ]祝!復刊。ロクニシコージ「こぐまレンサ」解説書きました
というものであった。
この「こぐまレンサ」という作品、かつて本誌での連載時にちらっと読んだことがあった。その後も明瞭ではないが、とにかくどこかで何度か断片的に読んだ記憶がある。ロクニシコージの旧作である「すべてに射矢ガール」は中学のころ1巻だけ読んでおり(マイナーな作品のため二巻以降を本屋で見かけないのだ)、その独特な作風は理解していたため拒絶もなく普通に読んだが特別に面白いとまでは思わず、続きを読もうとすることもなく、しかし記憶の中の「中途半端にやり残したこと」リストに入っており、たまに古本屋などで見かけるたびにそのことを思い出すのだった。私と「こぐまレンサ」のこの世界でのランデブーはそれで終わりだと思われた。しかし人生は死ぬまでわからない。
去年のいつか、ネットサーフィンをしていてこぐまレンサがいかにすばらしい漫画かを説くエントリに出会い、私の「こぐまレンサ」への興味心は長い時を経て少しばかり成長した。そして去る12月、職場で「ナっちゃん」という漫画を借りて読んでいたところ「んーなんかに絵柄が似ている、そうだ、こぐまレンサの絵に似ている」とまたしても「こぐまレンサ」を思い出させる事件があり、同僚のヌルオタイケメンも私と同様に「こぐまレンサ」について過去にちら読みをした程度には知っているけれども詳しくは知らなかったので、私は少し前に手に入れたエントリの知識を元に、自分も読んでいないくせに「いかにこぐまレンサが面白い漫画か」蕩々と説いた。ここまでがこの話の導入である。長いわ。
こぐまレンサ講談社BOXで出ることを知った私は、今日の昼に御茶ノ水のDISK UNIONで相対性理論のアルバムを買い、ついでに丸善で何かを物色しようとしたが、しかしそこではこぐまレンサの「こ」の字も思い出す事はなく、怪物王女もう8巻かーはやいなーとか思いつつ何も買わず、そのままマクドナルドでコータパンダとマックポークを買って帰り仕事場の机で食した。
仕事帰り、アキバでVAIO Pを見て秋葉原のプラットホームにあがったところちょうど出る直前だった水色の電車に急いで乗ったので上野駅での降車位置はコンコースの南側であり、乗り換え列車に座れる可能性の高い北側に行くにはディラ上野の中を通り抜ける必要があった。
私はコンコースにあがった瞬間に電光掲示板で現在時刻とダイヤをチェックするのだが、次の列車は今すぐ出発するので間に合わず、その次は15分後であると知ったので、時間潰しのため何かを物色しようとブックエキスプレスに向かい、元コンパイル社員でずっとファンだったくせに女性だと知ったのが最近である両替できない両替機こと佐藤両々の新刊が出てるなーとチェックしつつ買わなかったり、ももいろさんごもう13巻かーと思いつつ買わなかったりしてそのまま店を出ようとした瞬間、視野に入ったラノベコーナーの映像から講談社BOXを連想し、こぐまレンサが発売になっていることを思い出したので買った。
帰りの電車内で全て読んだ。
読み終わり、吉田アミの解説を読んで、本を閉じた瞬間、泣きたくなった。
一瞬だけ泣いた。目からこぼれないほど少しだけ涙が分泌されて、すぐに乾いた。
これが、俺とこぐまレンサにまつわる事象の連鎖のおおむねである。

言い忘れていた。id:amiyoshidaさん、こんないい作品をちゃんと読むきっかけをくれてありがとうございました!