長居 鮨右衛門

不味い店ばっか続いてるので旨い店も紹介してみる。
なんか寿司屋があるのは知ってたけど入ったことないので入ってみたら高級店だった。

つーか見りゃわかるだろ・・・素人お断りのオーラがぷんぷんでている。提灯がついている(写真にはないが右側にある)のが空いているというサインで、重厚な扉のせいで中で営業がされているかどうか全くわからない。
店内は非常にきれいな日本的な空間で、一見して高級店とわかる。メニューが一切ない。高級店でもこのへんは店によってけっこう違いがあるが、要は客に不愉快な思いをさせなければよい。
なんか30くらいのイケメソ+美人のカップルがいて、ちょっときもかった。大将は寿司のうんちくを垂れていてちょっときもかった。
私はいかにもガキだし(車なので)酒も飲まないし予算も渋い、店としてはうれしくない客であるにもかかわらず、店員さんの対応は非常によかった。
私としては毎度のごとく、初めての店ではとりあえず盛り合わせという予定で予算2000円くらいを見込んでいたのだけど、そういう店ではないようなので「3,4千円くらいでお任せでお願いします」となった。出てきたのは季節感のあるネタが8カン。ちゃんと1カンづつネタの説明をしてくれる。味について特にケチをつけることはない。太刀魚が非常によかった。会計は3400円。いい感覚だと思う(3〜4千円で4千円だとちょっとえーってなる)。値段を直接口で言わず、紙に書いて出してくれる。帰りもちゃんと入り口まで送ってくれた。
あんまりほめてばっかりだとあれなのでちょっとdisっておく。
高級店にありがちなのが「うんちく」である。その場のメインゲストに大将がいろいろと寿司の極意とかネタについて解説をしながら握るというリップサービスである。これには幅広い知識が必要とされるので、うんちくを語れるというのは、技量のあるなしの目安になる。
うんちく語りには板前の個性が出る。最低限必要なのは客に不快感を与えないこと。うんちくを通して次のネタを決めたりもする。例えば「嫌いなネタはないですか」と最初に聞いておいて、後で出すのは定番である。これはネタの鮮度と調理に絶対の自信を持つからこそできることである。だいたい寿司ネタの○○が嫌いという人は、たまたま今まで食べてきたものが鮮度の悪い不味い物ばかりで、本当にいいものを食うと価値観が変わることは多々ある。特にウニ、イクラ、光り物などは鮮度が悪いと食えた物でないので、回転寿司とかスーパーの寿司、立ちでも並の店にしかいったことがない人には鬼門であることが多く、高級店や味に自信のある店では特にそれらについて、客の不得意を直してあげるという営業をよく見かける。
この店は大将のうんちくが若干うざかった。最初に店に入った時も「寿司なんてのは、技術ですよ、ネタは関係ありません」と言っていたのでそれはどないやねん、と思いつつも、まあ、そのへんは客にあわせて姿勢を変えるのかもしらんけど。大将からしてみれば、「いい素材で美味いものを作るのは誰でもできる、素材の持ち味を引き出してこそ」という発言なのかもしらんけど、俺からしてみれば「美味い物を高く出すのは誰でもできる、美味い物を安くだしてこそ」という感覚なので、技巧にもう一ひねりほしかった。予算少ねーよボケと言われればしょうがないが、メニューないんだからしょうがないじゃん。寿し兆は普通の店や100円でない回転寿司よりも安く(盛り合わせ1人前8カンで800円である)ここと同等の寿司を出すし、私が知っている中で一番レベルの高い店は明朗会計でうんちくは(私のようなガキに対してすら)終始謙虚でとても好感が持て、価格帯もここより安く、寿司のレベルは圧倒的に高い。
高級店としては並、コストパフォーマンスがいい店ではない。入り口の入りにくさと、メニューがないこと等、初心者にはお勧めできない。通には勧めるほどではない。一度くらい行ってみるのは悪くないが、普段腹減ったから寿司が食いたいならすぐ近所の寿し兆に行くし、それなりの予算を持ってして高級店にいくのであればもっと良い店はあると思う。

大きな地図で見る