パートナーを束縛云々とか男女の友情云々とか

http://d.hatena.ne.jp/toya/20080506#p1

これは正直「義務と権利」につきるのではないかと思う。

パートナーを「束縛」「放任」の善し悪しって、二面性があるためにややこしい。
「俺は誠実にしてるけど相手が微妙なので放任できない」「俺は誠実なのに相手が信頼してなくて束縛される」「俺遊びまくってるのに放任されてる」「相手遊びまくってるけど束縛できない」いずれもポイントはお互いの「信頼」と「尊重」かな? それと、後述する「男女の友情」の概念も絡んできて、端的に論じるのが非常に難しい内容だと思う。
「男女それぞれに求められる貞操に対しての温度差」については除外しても差し支えないというので、言いたいことはいっぱいあるけどとりあえず触れない。


id:toyaさんは、男女間の友情をもってすれば、パートナーがいても別の異性と二人きりで会ってもいいという意見だった。俺も基本的にはそっちサイドなのだけど、それもそれで難しい問題だとは思う。
ことあるごと例に出すので本人に悪いなあと思いつつも、最近嫁に行った女友達がいて、彼女とはお互い友情があるのを確認している。
この女の子が俺にとってどういう存在かというと、つきあうつもりも結婚するつもりもないが同棲したい相手ではあった。端的に言うとセフレだが、友人としてはほぼ全幅の信頼をおけるところが彼女とのいい関係のゆえんである。
俺が彼女を唯一信頼できないのが男女問題。まあ友達なので彼氏との関係が微妙な時期に相談なんかも受けるわけで、なんばでサシ飲みしてたらその後の展開は推察のとおりで、まして家でサシ飲みすれば云々。
本当に相手を大切に思っているなら俺の行動は友情に反する行動であってそこらへんは俺も人間が未熟なのだけど、俺に限らず男というのはある条件下に置くとどうしても自動的にそういう方向に持って行こうとしてしまう機械なので、そのリスクをちゃんと織り込んだ行動ができるかというのは、特にパートナーがいる場合に非常に重要だと思う。最後まできっぱり断り切れるか、それができないならその状況を作らないようにするかということだけど、ここでは、パートナー以外の異性とサシで飲むという権利は、相手に誘われた際に断り切るという義務の遂行と同時に得られるものであるということ。
もう一つ例を挙げると、これもちょくちょく遊びに行く彼氏持ちの女友達なのだけど、彼女は彼氏との間に「異性と二人きりでは遊ばない」という明確なルールを作っている。二人きりでなければいいので、もう一人女友達を入れて遊ぶことが多い。この例では彼女はそれを束縛ととらえているわけではなくて、「だってあたしもされたら嫌やもん」というid:toyaさんと同じことを言っていて、お互いいい信頼関係があっていいな、と見ていて思う。だから彼女と俺が二人きりで遊ぶことはないのだけど、だからといってそこに友情がないわけではなくて、やっぱり友達ではある。男女の友情というのはお互いがどのような関係であっても、友情の確認があれば成立する普遍的で独立的な関係性であると思う。


だから「男女の友情を支持するならパートナーが他の異性と二人で会ってもいい」というのは少し短絡的かなとも思う。セックスって男女の友情の前にはカラオケなんかと同レベルなんじゃないかとさえ思う。「やりたくない異性友達」「やってもいい異性友達」というのがあって、後者ならたまに「やってもいいけどやらない」から「やってもいいのでやりたい」になったりするわけで。これは本当に難しい問題で、物理的には全然可能だし。俺はとりあえず自分の貞操は堅いので、自分に彼女がいるときには他の女には手を出さないし、他に手を出す場合にはちゃんと分かれてからにすることにしている。とすると、俺にとってベストなのはフリーもしくはずーっと貞操を捧げ続けるに足る相手と付き合うしかないということで、そのへんが俺がなかなか彼女できない原因だな。


いずれにせよ、一番幸せなのは「パートナーとの取り決めで自分で自分を束縛する」ことなんじゃないかなあと思う。男女なんて所詮他人だし、結婚や恋人というのはただの契約にすぎないのだから、それによる価値がなくなれば破棄すればいい。(もちろんその価値には「相手への義理、相手に幸せになってもらいたい」というものも入る)逆にそういう「この関係はいつでもなくなる可能性のあるものだ」という緊張感があったほうがお互いうまくいくと思う。そういうのを踏まえると、俺は1回も結婚したことないけど、結婚って維持するだけで大変だろうなあと思う。


まあ「本気じゃなくて浮気だからOK」とかいう究極論も存在するけど、個人的には精神衛生上嫌かなあ。しかしそれについてはそもそもお互いいろいろ経験あるわけで問題にしてもしょうがないし、一番焦点にするべきなのは結局病気と妊娠のリスク。正直それがきちんと管理されて、なおかつ恋愛感情が絡まず浮気相手が信頼できる人間であれば浮気はOKかもしれないと思っている。でもやっぱり嫌かなあ。