ゆとり時代の新人SE教育

5年以上前のネトゲ廃人時代の知り合いから、この春東京のITベンチャーという名のIT土方派遣会社に新卒採用されて上京すると久方ぶりに連絡があった。
現在22か23くらい、ゆとり直撃世代。(ちなみに俺は24で、ぎりぎり崖っぷちゆとり以前の世代である)
月給は19万+家賃3割補助。彼は三軒茶屋に11万の部屋を借りたとのこと。さすがゆとりだけあって最初から外さないぜ。
4月に入社して1ヶ月ほど、みっちり(かどうか知らないが)Javaの講習を受けたらしい。高卒か中卒か忘れたけど、ドロップアウトののち自動車整備業をやっていた彼は心機一転IT業界を志し、地元のIT系専門学校に数年通ったとのことなので、まあ余裕だよね、と思っていたら「課題わからん教えてくれ」とメッセがきた。エラーメッセージの意味がわからないとか。ぐぐれよ。
俺は過去Javaと関わったのは基本情報試験の本番当日(テスト勉強でも一切やらなかった)とあと1件大変しょうもない案件をやったきりで、もうあとは死ぬまで関わらないでおこうと思っているくらいJavaが嫌いなのでもちろんeclipseも入れていないしわからないよ、と前置きした上で彼の送ってきたソースを読んだ。よくわからないけど、

function hogehoge(intaiueo) {
  hogehoge();
}

みたいなコードがあって、おいこれ実行時エラーっていうか波線出るだろ、と思いつつ
「お前これ分からないなら田舎帰った方がいいよ。教えてもいいけど、この程度教えられないと分からない人間は一生仕事できないから自力でなんとかしろ」と心を鬼にして放逐した。
次の日「できたー?」とメッセしたのだが、帰ってきた返事は「あっ今日は一日遊びに行ってたwww あれはまだできてないwww」だった。はいはいゆとりゆとり。




時は流れて半月ほど後。
「やっと研修終わったぜー!」
とのメッセがきた。今は営業に連れ回され、買い手を探してドナドナしている途中だそうだ。なんでも、新人に見られないよう注意されているのだとか。無理だろ。さも、経験があるかのように喋らないといけないとか。向こうさんも分かっているので、いきがって中途半端な知識を披露していると「へー君Javaできるんだ、じゃあジェネリクスとか分かる?」とかカウンターを返してくるそうで、当然あえなく撃沈しているとのこと。懐かしい光景に涙が止まらない。それにしてもやっぱり人間素直と誠実が一番だよね。
「で、お前ジェネリクスについて調べた?」
「いや、よくわかんねーけど使ったことないし・・・まあ概念くらいは分かってるよMVCとかな」
「ふーん説明してよ」
「あれだろイテレータで使うやつだろ」
イテレータってなに?」
「・・・・・」
MVCってなに?」
「コントローラが指示出すんだろ」
「まあ間違ったことは言ってないけどさ、もうちょっと核心を突いてほしい」
「だって今ネットで調べたらそう書いてるし」
これが連邦軍のゆとりの実力だというのか!




なに・・・まだ終わらないだと!




「なんかさー研修の成績悪い奴は、一時金みたいなのもらって田舎に帰ってた」
「まじで! お前より成績悪い奴いたの!」
「ていうか俺、上位なんだけど」
「mjd! IT業界オワタ!」


すげえ不安です。ほんとうにIT土方業界やめてよかった! 俺自社開発がんばる!