劇団乾杯「街街」をみてきました

http://kanpai.kiwamari.org/stage/
まずは、お疲れ様でした。おもしろかったです。
今回、同じ公演を2回見るなどというエクストリームなことを初めてやりました。いろいろ邪魔して大変申し訳ありませんでした。
乾杯の劇は面白いです。しかし、今まで何回か見てきたのですが、なにか引っかかるものがありました。今回やっとそれが自分の中で明文化されたので書いてみます。

  • お金を取ってほしい

乾杯の公演は常に無料。それにはいろいろ理由があるようで、今回もパンフレットに書かれていたけど、詳しく書くのがめんどくさいのでつまりは「オナニーだから」ということみたい。もし介錯が間違っているなら、差し替えますのでお怒りのコメントをください。

  • いろいろ弁えすぎてる

乾杯の演劇とは「毎回全力で、その時思ったこと感じたことを丸ごと詰め込んだ、常に発展途上の焼き直し」だそうで、結果「コンセプトをぶちこんだ」「語彙の多い」舞台になります。それって「本業の傍ら趣味でやってる」からかも。皆さん普段は本業に励まれており、比較的金銭はあるけど時間がない感じなのではないかと思います。
かくて、「締切ない」「いつ書きあがるかわからない」「練習時間ない」「安定して芝居うてない」という条件から「じゃあ次はないものと思い、できる時にやりたいことを全部やる」とのスタンスが出来上がり、「やりたいこと優先だから金取るのもおこがましいよな、持ち出せる金もあるし」「でも数打つほど大金持ちでもないし1回の公演でやりたいこと詰め込む」というスパイラルが起きているのではないかと想像します。いろいろな弁えた上での事であり、他人がどうこう言う隙が全然ない立派なものですが、1人のファンとしていろいろ「もったいない」のです。

  • コンセプト詰め込みすぎの弊害

今回の劇の主題は「表現と次元」「現実世界における芸術の脆弱性」のようでした。他「自費出版」「モンスターペアレント」「世界の終わり」「言葉の定義」「物語を最後から読む」などが絡んで物語が展開します。テーマが多数ある場合、うまくつなげるとなんかうまくまとまりますが、今回、メインの2つの主題は直接絡み合っていなかったのではないかと思います。後半に入り、「刀で切っても死なない」「別次元の本体から投影された影は投影対象の次元の影響を受けない」「本体はどこだ」「どんどん低次元に」「最終的にはゼロ次元=主人公の心」という展開になりこれは前作「v」で大きなテーマであったひも理論の多次元から発展したものかな? 舞台は主人公の心象風景のまま展開すると思いきや突如終わります。これについては「芸術なんて所詮そんなもんだよね」だそうですが、最初はこの終わり方に非常にびっくりしました。
劇の終焉と、直前まで繰り広げられた「次元」の話は関連しません。2つの出来事は(実際は舞台という同じ次元だが設定上)異なる次元の事象なので関係なくて当然ですが、個人的にはうまく関連付けてほしかったなあ。劇中「世界の終わり」というテーマがあり、「全人類が自殺する」という話まで出てきたのに、明確には回収されていません(今考えるとわざわざあそこで劇を打ち切ったことそのものを、舞台そのものの自殺と捉えるのもありかも)。その他にも色々と含んだまま終わっています。例えば「劇場が本当に立ち退き予定の物件である」であったらどうかな、または、ベタかもしれませんが、劇自体が実は物語の場面場面を後ろから再生したもの、などであればなかなか小気味いいものだったかなあ、とか色々勝手に妄想していました。しかしそもそも先に挙げたように、乾杯は客を楽しませるためでなく自らやりたいことをやる劇団なので、この段の論は本当に私の妄想の産物であり、無意味です。

  • 無料というはなし

今回、劇の終わり方に「これはあんまりだ」と私は思いました。しかし次の瞬間「でも無料公演だし文句言ってもしょうがない」と無理くり自分を納得させてしまいました。1日目に一緒に見に行った脳内彼女は「よくわからなかったけどおもしろかった」と言っていました。これは演者が望んだものでしょうか? ちなみに以前私が舞台を主宰した時に後者と同じ感想をいただきましたが、「ああ、面白いって言ってもらってよかった」の反面「やっぱり理解してもらえなかったか。。。」という後悔はやはり残りました。
これはテーマを詰め込みすぎたが故の悲劇かもしれません。ほかにも、毎回テーマが多すぎるので一つ一つの掘り下げが足りず、しかもぐちゃぐちゃに展開するので理解が追いつかないのも大変もったいないと思います。ひも理論や出版業界のシステムについて説明がないので、予備知識がない人にとっては本当に「よくわからない」としか感想できないことになっているような気がします。「よくわからなかったけどおもしろかった」というのは非常にもったいないです。よくわからなかったのに面白かったんです、理解のうえでならもっともっと面白くなるに違いありません。

  • じゃあ有料化したら

上で勝手に想像したように、無料公演というのは劇団乾杯の大方針のひとつだと思いますので、今後も有料公演が行われることはあまり期待できないかな、と思っています。
でも、できる限り細かいところまで気を配り、余裕を持って準備をして、欲張らずコンセプトを絞って、その代わり深く掘り下げて、満を持して金を取るような舞台を見たいなあと思いました。


あと、しょうもない話とか。

  • 未来が見える薬「ウィル」について。なんか既視感が・・・そうだそうだ、「何処へ行くのあの日」っぽいなあ。詳しくはぐぐれ。
  • なんか協力に「文芸社」って書いてるけど、許諾得てるのかなあ。→劇後の質問で解決
    • そういや会社に自費出版で本を出した人がいるんだけど、話題に出せない。そのうち話題にしようと思ってたんだけど、詳しく調べてみると文芸社刊で、それって本意なのか詐欺なのか判別しかねる。そういうところ、新風舎文芸社もぜんぜん社会に寄与できてないよなあ。
  • ちなみに、今回、主人公の本体を求めて3次元から低次元に移動していったけど、投影って高次元から低次元になされるものであり、低次元にある影が影響を受けないのはつまり影絵の影を踏んでも人形はなんともないよね、という話で、高次元から見た低次元の物体は本体そのものであり、高次元からそれに手を加えると低次元にある本体は影響を受けると思うんだけどなあ。紙が3次元で、紙に書かれた絵が2次元だとすると、紙を破ると絵も破れちゃうよね。
  • 最中と生キャラメルという非常にしょうもない差し入れをしてしまいましたが、本当はウケ狙いで小田原で大量のういろう(丸薬)を購入してくる予定でした。スケジュールの問題で実現できませんでした・・・俺オワタ\(^o^)/
  • I先輩ご結婚おめでとうございます。次はmixiで報告してくださいね。

そろそろ東京つくからいったんポストする
N700系無線LANインターネットができるようになったので、ちょうどyahoo公衆無線LANに契約しているわやっほうとつないでみた。非常に快適でしたが、乗り物内で活字を見ると酔いが回るのがいかんともしがたく。。。やっぱり普段どおりアイマスクして寝てたほうがよかったかも・・・。